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【根岸憲一】デジタル一眼レフカメラによるムービー撮影のコツ

【根岸憲一】デジタル一眼レフカメラによるムービー撮影のコツ

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撮影の楽しみ方第2回目は、フリーの映像カメラマンとして映画の撮影監督をされている、根岸憲一さんにデジタル一眼レフカメラによるムービー撮影のコツを語っていただいた。

 初 級 者 編

カメラの基本を念頭に置いて撮影に臨もう!

「まず始めに念頭においてほしいのは、“カメラは光を捉える道具である”ということです。つまり光が少ない暗い場所では、基本的に暗い映像しか撮れないの です。

最近のデジタル一眼は静止画だけでなく、ムービー撮影のオート機能も優れており、暗い場所での撮影では、カメラが絞りを開けたり、センサー感度 (ISO)を上げるといった操作を自動で行ってくれるので、動画ボタンを押すだけでそれなりに明るい画が撮れます。

でもそれはあくまでも暗い場所でも“写 る”ということを最優先にした設定なので、そのカメラが持つ本領、つまり画が一番きれいに撮影できる設定ではないのです。“写ればいい”“記録することが 最優先”という場合なら、もちろんそれでもOKですが、大切な思い出を残すなら、せっかくですから少しでもキレイに雰囲気よく残したいですよね。

ですか ら、“カメラは光を捉える道具である”という基本を忘れずに、光が足りずに暗ければ、明るい場所に移動する、照明で照らして光を補うなど、カメラに無理を させないように気を配れば、それだけでも画のクオリティはぐっと上がってきます。」

ムービー撮影の基本設定を教えてください

「フルオートだと全てカメラ任せになってしまい、前述した通り、写すことが最優先となり、一番キレイな画が撮れる設定ではなくなってしまう場合がありま す。

ですから、マニュアル撮影に対応したカメラであれば、絞り優先オートに設定するのがおすすめです。本来、絞りオートは光を調整するのでは無く、被写界 深度(ボケ)を調整します。

一眼レフのムービー撮影では、感度が変更されて光が調整できます。 絞りで光の量をコントロールする場合はマニュアルでの操作が必要です。晴天時の屋外など、空が白飛びするような明るい場所では絞りを絞って、室内や夜間な ど、光の量が少ない場所では、絞りを開けたり、感度を上げるなりして対応しましょう。

また、雰囲気のよい背景ボケを狙って絞り開放で撮ろうとする人が多い ですが、絞り開放はピントもとても浅く、光が入りすぎて失敗しやすいので注意。

キレイに失敗なく撮りたいなら、絞り開放はあまり使わず、2段ほど絞りを絞 りましょう。背景ボケを作りたい場合は絞りで作るのではなく、被写体と背景の距離を遠ざければOK。

多少絞っていてもきれいな背景ボケを作ることができま す。ピントは被写体に合わせるのが基本ですが、人物を撮影する場合、ピントは目に合わせると映像がビシっと決まります。」

ムービー撮影のコツはありますか?

「夜間などの撮影では、暗い場所が黒く潰れてしまいがちですが、これはカメラの設定で“コントラスト”を下げることで多少防ぐことができます。また風景などを撮る際は絞りを思い切って絞ると色々なものが見えてきます。例えば海岸の砂浜な ど、絞れば砂の粒まで見え、ディテールが際立ってきます。絞ることで絵が固くなりシャキシャキした印象となるので、シャープネスを下げて少し柔らかくする と見やすくなるでしょう。」

中 級 者 編

撮影に使うレンズにも注意しよう

「人物をメインで撮るなら標準(50mm)ぐらいの画角が使いやすくておすすめです。50mmより広角だと少し角度を付けると歪んでしまうので、できるだ け被写体の正面から正対して撮るようにすることで、歪みを抑えてキレイに写すことができます。

一方、標準以上の中望遠レンズを使うと、アップは簡単に撮れ ますが、ピントも浅く合わせるのが難しく、手ブレも目立ち始めるので、キレイな画を撮るためには相応の技術が必要になります。

キットレンズで多い望遠ズー ムレンズなど、ズームレンズは手軽に画角を変えられるので便利ですが、キレイな画を撮りたいのなら、撮影場所からズーム機能だけでアップするのではなく、 アップしたい場所に向かい、自分もできるだけ足を使って寄っていくなど、横着しないで被写体に一歩踏み込むことで、ムービーに躍動感が出てきます。」

「カメラの性能やメモリーカードの容量にもよりますが、尺が決まっており撮影時間に制限があったフイルムと違い、長回し(長いカット)を撮ることができる のもデジタルならではの魅力。昔、フイルムでドキュメンタリーを撮っていた時など、一番長回しできるフイルムを使ってもワンカット12分程度が限界で、欲 しいカットを逃さないように冷や汗をかきながら撮影していましたが、今は欲しいカットだけでなく、過程も含めて全て押さえて、編集で必要な部分を切り出す といったこともできるので、メモリーカードは大容量タイプが安心ですね。」

「一方で長時間のカットが多くなると撮影データの容量も当然大きくなり、PCへのデータ転送時間も長くなるので、転送速度の速い高速タイプのメモリーカードを選ぶとあとあと後悔しません。

また、撮影した映像データは、とても重要なので、記録するメモリーカードにも信頼性が求められます。

サンディスクのメディアは信頼性が高いので、僕はサン ディスクのカードしか使っていません。我々のようなプロだけでなく、貴重な思い出を残した映像のデータは、誰にとっても一生の宝物だと思います。メモリー カード選びの際に気にしていただきたいです。」

ムービーにストーリーを加えよう

「キレイなムービーはそれだけで心に迫る説得力を持ちますが、そこにストーリーが加わるとよりいっそう記憶に残るものとなります。

ストーリーを加えるとい うとなんだか難しそうですが、ようは必要なカットを必要な順番で並べていけば大丈夫。

必要なカットの基本は①被写体の置かれている状況の説明、②被写体の 動き、③被写体の表情、の3つ。つまり①引きのカット、②少し寄ったカット、③アップのカット、という流れを作ることでムービーが散文的にならずにストー リーがでてきます。

例えば、運動会で子供の徒競走を撮影する場合は、入場や順番を待つ様子など全体の様子がわかる引きのカットがあり、次にメインとなるス タートの瞬間や走っているカット、最後にゴールしたあとの表情のアップのカット、というようなイメージです。

さらに、この一連の流れをひとつの“ブロッ ク”として捉え、運動会であれば、徒競走のブロック、騎馬戦のブロック、組体操のブロックというように、ブロックをつなげていくことでより大きな流れも作 ることができます。

ムービー撮影は“考えること”がとても大切。ただ漫然と撮るのではなく、どんなカットが必要かを常に考えることで、躍動感のあるムー ビーを残しましょう。」

撮影を楽しんで自分らしいムービーを!

「いくら優れた性能のカメラを使っても、プロと同じような“美しいキレイ”なムービーを撮るのはとても難しいこと。

なぜなら映画であれば、“美しいキレ イ”な画を作るため、どんなに短いシーンでも、大勢の映像のプロが知恵と技術を出し合い、最高の画が撮れる環境を作っているのだから。

だからプロと同じよ うに“美しくキレイ”に撮るのではなく、被写体と自分が共有している時間や、被写体の表情など、“気持ち”を追いかけていくのはどうでしょうか?

一昔前 ならムービーを撮影するというと、運動会や学芸会など晴れの日の特別なことという印象が強く、日常的なことではありませんでしたが、幸い今はデジタル一眼 でもムービー撮影ができるようになり、静止画を撮るのと同じ感覚でムービーも撮れるようになっています。

“映像を残す”ということはとても楽しいこと。ぜひ“美しくキレイ”な画を残すことよりも、まず撮影を大いに楽しんで自分らしいムービーを残してほしいと 思います。」

撮 影 監 督 根岸 憲一

幼少期に映画館で味わった映画への感動が忘れられず、高校卒業後に専門学校に入学。撮影された映像が後世まで残っていくということに強い魅力を感じ、撮影 監督へと道を定め玉井正夫氏のもとに弟子入り。その後、大島渚氏(映画監督)とコンビを組む松竹の巨匠キャメラマン、高田昭氏に拾われ映画界に入る。近年 ではデジタル一眼を使用した撮影を多く手がけ、愛用機であるCANON EOS 7Dを全編に使用したタイトルは8本を数える。

【根岸憲一氏が撮影に関わった映画情報】
「ほとりの朔子」 
監督:深田晃司 2013年春公開予定
Twitterページはこちら >
「ねこにみかん」 
監督:戸田彬弘 2013年秋公開予定
詳しい情報はこちら >

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