SanDisk

メニュー

私が撮影機材を選ぶ基準。オーストラリアをテーマにした映像とともに

  • Facebook
  • ツイート
  • Instagram
  • Facebook
  • ツイート
  • Instagram
プロフィール

シネマトグラファー
Matthew Carmody マシュー カモディ

オーストラリア生まれの38歳。99年に20歳の若さで来日。以来、人生のほぼ半分を関西で過ごす。 ワーキングホリデーで始まった日本の冒険だったが大学入学、就職、永住、結婚、子供の出産を経て今日に至る。 映像制作を始めたのはわずか3年前だが、制作活動を通して刺激を与えてくれる仲間と出会い、共に製品PVやショートフィルムなど様々なコンテンツを撮影。 近年は海外にも飛び出しオーストラリアやノルウェーといった自然大国の映像を中心に撮影している。

 

1.私が選ぶシネマカメラの条件

 

どんな撮影も事前準備が大事。それが海外遠征となるとなおさら。

人によって基準は様々だが、個人的にカメラを選ぶ際の優先順位は①画質②4K以上内部RAW収録③高い信頼性④内蔵ND⑤短い起動時間。この五つすべて揃って初めて現場に持っていきたいと思う。

今回の撮影で選んだメイン機材のURSA Mini Proはまさにこの基準を満たしていると言える。本映像の中に出てくる野鳥やカンガルーなどの野生動物の一部は電源を入れて、フォーカスを決めてRECを押すまでの時間が10秒前後のカットも中にはある。カメラの電源をつけっぱなしにすると問題解決だが、重いV-mountバッテリーをたくさん海外に持っていくのは荷物的に大変。今回はアシスタント無しで一人でも現場がスムーズにまわる機動性の高い機材に絞った。そこでバッテリーはIDX DUO-C95一本で電源ON/OFFをこまめにすることで対応。

遠征なのでレンズは様々な状況に対応できるEF-S17-55mm F2.8 IS USMとEF70-200mm F2.8L IS II USMの2本を用意。必要に応じてEXTENDER EF1.4×IIIも装着。マイクはSENNHEISER MKE 600。三脚は軽量ながら安定したパン・チルトを提供するsachtlerのFSB 6とManfrottoのカーボン製脚。

サンディスク エクストリーム プロCFast 2.0カードを挿入したURSA Mini Pro

本作品のオープニングカットの一つ。 Osmo RAWでの空撮

2.信頼できるメディアを選ぶことは何よりも重要

一度しか撮れないかもしれない被写体は故障やトラブルのせいで台無しになるのはもったいない。そういう意味ではカメラ自体の信頼性はもちろん、メディアもまた真剣に検討する必要がある。Osmo RAWは専用SSDを使用。値段的に手ごろとは言えないものの、大変信頼性の高いメディア。

オーストラリアではサンディスクの128GB CFast 2.0カードを6枚とサンディスク エクストリーム プロSD UHS-I カード合計1.5TB分を使って全カットRAWで記録した。4.6K/60pの4:1 RAWで収録する場合は128GBが6分でいっぱいになるほどのデータレート。そこで考えた対策はCFast 2.0カードを4.6K/60pスローのために使ってSDカードに4.6K/24p 4:1 RAWを収録することでCFast 2.0カードの長持ちを狙う。今まで使ってきたSDカードに4K以上のRAW映像が収録できるのは大変ありがたい限りでURSA Mini Proを好む一つの理由でもある。サンディスクのカード群が原因で撮影時に問題が発生したのは一度もない。これは極めて大切なことで、その信頼性が自信=品質にもつながる。

ちなみにサンディスク エクストリーム プロSD UHS-Iカード 1枚だと、カードの書き込み転送速度がやや足りず、4.6K/24p RAW 4:1の映像は18秒前後でRECが止まるがついでに撮影するストック動画やB-ROLLならとりあえず足りる長さ。
また、URSA Mini ProはUHS-IIのSDカードをサポートしている。この撮影から戻って300MB/sの読み出しと260MB/sの書き込みに対応するサンディスク エクストリーム プロ SD UHS-IIカードをお借りできたので、現場で色々とテストした結果、1枚に4.6K/24p*の3:1の圧縮RAWを連続記録できて、PCへの転送速度も250MB/s前後という気持ちいい速さ。現時点で販売されている最も大きな容量は128GBだが、256GBや512GBが発売されるとCFast 2.0カードと合わせてどんな現場でも撮影とバックアップ作業がさらに効率的なものになる。

*4.6K/30p 3:1 RAWも1枚に連続記録可能。

羊毛刈りの撮影でお世話になったオーナーのTony Manchesterのインタビュー映像

URSA Mini ProのDUAL CARD RECORDING機能を活用してサンディスク エクストリーム プロ SD UHS-Iカードに収録した4.6K/24p 4:1 RAW映像をDaVinci Resolve 12.5で編集。短いカットなら可能だがメインカットには使用しづらい。

日本に帰国してさっそくUHS-II対応のサンディスク エクストリームプロ SDXC カード128GBを2枚入手。CFast 2.0カードと合わせて現在のバックアップ作業が何倍も楽になった。

カンガルー撮影の様子

カンガルーは涼しい朝方と夕方に出没するという習性を利用して待ち構えて撮影。夕日に染まる赤い毛色が印象的。ここは4.6K/60pに対応するサンディスク エクストリーム プロ CFast 2.0カードのみで撮影。 現在はこういう現場で4.6K/24pのB-ROLL用にUHS-II対応のSDカードも使用。 CFast2.0は大容量を要する4.6K/60pのスロー撮影のためにセーブ。

3.高速なメディアやポータブルSSDを使用することで、撮影後のワークフローも快適に

DELL ALIENWARE 15 R3

4K以上のRAW映像をノートで編集するために容量十分な内蔵SSDと強力なグラフィック性能がおすすめ。個人的に使っているのはIntel Core i7-7820HKとGeForce GTX 1070 8GBを積んだ宇宙最強のゲーミングノートDELL ALIENWARE 15 R3。大容量のThunderbolt 3 RAIDを接続しての編集も視野に入れてThunderbolt 3やUSB 3.1ポートを備えている最新モデルを選択。

サンディスク エクストリーム 900ポータブルSSD

ここはCFast 2.0カードからサンディスク エクストリーム 900ポータブルSSDへのバックアップを行っている。1.92TB*もあるこのUSB 3.1 Gen2接続のSSDはどこにでも持っていける携帯性・頑丈さに加え、業務に必要なスピードと信頼性を提供。内蔵SSDにバックアップしたデータを2重にバックアップする際に貴重。いつも鞄に入っている国内外の撮影に欠かせない相棒。
*ほかに960GBと480GBの選択肢もある

 

撮影現場以外でもサンディスクのCFast 2.0カードとSDカードを活用している。複数の編集用パソコンのデータのやり取りは、データが100GB以下ならだいたいCFast2.0カードで行っている。HDDより頑丈で小型なCFsat 2.0カードのままで安心してクライアントに送ることもできる。
最近手に入れたサンディスクの256GB CFast 2.0カードで撮影時のカード交換や保管、バックアップに使う時間のさらなる節約を狙いたい。

 

プロの現場で機材によるトラブルは最小限にしたい。機械は性質上、いつかは故障するもの。これだけは避けられない現実。ならばその確率をできる限り下げるのが賢明。予算や荷物の制限がある中で絶対的に妥協しないのは使うメディアの信頼性・交換性・性能。だから他のメーカーより少々高価でもRAW撮影を始めた頃から記録メディアをサンディスクで統一してきた。ぜひその違いを体験してみてください。

トップページへ戻る