






ニュージーランドでも手つかずの大自然が残る南島。世界で一番美しい星空と言われているテカポでの撮影を目指して、南部にあるクイーンズタウンから北上し、テカポにあるマウントジョンまで、6日間の行程でロケを行った。


ロケで撮影した写真の枚数は約10万枚、データ量では1.4TBにもなった。なぜこれだけの膨大な枚数の写真と、データが必要だったかというと、タイム ラプスと呼ばれる手法での映像作品作りにチャレンジしたからだ。タイム ラプスとは、俗にいうインターバル撮影のこと。一定の間隔で写真を取り、それをつなげることでコマ撮りムービーのような動画を作り出すものだ。このちょっと変わった手法で撮影された、”The Best Starlit Sky In The World“の演出をした山部修平氏とカメラマンの斎藤卓行氏に作品の魅力や、撮影秘話をうかがった。
――今回の撮影の感想をまずお聞かせください
カメラマン 斎藤卓行 (以下斉藤):一つの島の中なのに、いろいろなシチュエーションが一度に撮れる。
ニュージーランドは、どこに行っても絵になりますね。楽しかったです。
演出 山部修平(以下山部):自然相手は大変でした(笑)
ロケ前半は天気があまり良くなかったので、狙った通り星がでてくれなくて焦ったり、逆にそんなつもりはなかったのに、雲の合間からビシーっと星が見えてきたり・・
テカポの初日は嬉しかったですね。はじめて満天の星空が見えて。
斎藤:僕もテンションあがりました!
山部:すごくトクした気がしましたね。
世界で一番美しいと言われるテカポで満点の星空が見れた時は!
タイム ラプスは、最近のデジタルカメラであれば、インターバル撮影ができる機能が付いていたりするので、スチールカメラの特性を生かしたムービー作品をつくる手法として一般の方でも、手軽にチャレンジできるが、今回はさらにドリーという、カメラを自動的に移動させながら撮影する機材で絵にモーションをつけたり、深夜撮影というハードルがあった。
――タイム ラプスという、通常の撮影とはちょっと違う手法での撮影でしたが、いかがでしたか?―
山部:元々コマ撮りが好きだったので、ぜひ一度やってみたいと思っていました。
最新のCGとかバンバン出てくる中、タイム ラプスみたいに人が頑張って伝わる映像は、この仕事をやっていく上で、基本になることじゃないかなと思います。そういった作品は、根本的に飽きられないものになるんじゃないかな。続けていかなきゃなと思っています。
斎藤:タイム ラプスでの撮影は何度か経験があったのですが、今までとは全く違うというか・・・星という、動いてないようで動いている被写体を撮っているので、計算がなかなか立たなくてテスト撮影も何度もしたんですけどうまくいかなくて・・
星の動く方向って東西南北で違うじゃないですか。それに対して、どうやって撮ればいいのか、どうカメラを動かしていけば気持ちのいい絵になるかを、監督とよく話してました。こうじゃないかなと、想像しながらだから、ホント手探りで、やってみないとわからない。
結局、それがうまくいったとしても、また雲が現れたり・・・
でも、そういう状況も逆に受け入れつつ、臨機応変に撮影を進めた感じです。
――今回はインターバル撮影なので、取り回しを考えたらムービーで撮影してコマ抜きでも成立すると思うのですが、あえてスチールで撮影して、しかもRAWテータでやろうと思ったのはなぜですか? ―
※写真中心部の山の部分、RAWではデティールがしっかり出ているが、jpgでは白く飛んでしまっている。
斎藤:まずは、解像度の高さですよね。ムービーでもEPIC※でずっとRAWで撮り続けることはできますが、コストや機材含めて現実的じゃないですよね。今まで何度かタイム ラプスの撮影はしましたが、一番大きなRAW※で撮影したのは今回が初めてです。データが膨大になるのでなかなかトライする機会がなかったんです。カラコレ※などの後処理が、RAWデータだったのでホント助かりました。それこそ、180度逆の表現にトライしても、耐えうる画像になる。後処理で、もう一回り作り込みができるのは表現の幅が広がりますよね。
※EPIC・・・Red Digital Cinema Camera Companyの業務用カメラ。動画のRAW撮影を可能にし、DSMC(デジタル・スチル・モーションカメラ)と呼ばれる動画撮影と静止画撮影の垣根をなくした新しいコンセプトを実現している。
※RAW・・・デジタルカメラで撮影された補正されてない生データ。
※カラコレ・・・カラー・コレクションの略。写真や映像の色彩を補正する作業のこと。
――撮影に使用したCFカードは、64GBが24枚、128GBが7枚、メイキングで16GBを8枚と大量に使いましたが、大量かつ大容量のデータの管理って大変だと思うのですが・・―
斎藤:メモリーカードが信頼できないとホント大変です(笑) 普段からサンディスクさんのカードを使っています。以前はいろんなメーカーのカードを使っていたんですが、最終的にいきついたのがサンディスクのカードだったんです。 トラブルは今までに一度もないです。ホント。 そういう意味で、サンディスクのカードは信頼できますね。 また、今回の撮影はRAW+jpgの最大サイズでの撮影であったり、夜間撮影のため、長時間露出でかつインターバル撮影という条件のため、メモリーカードへの書き込み速度が追いつかないと実現できなかったと思います。 それに、撮影したデータ量も半端なかつたので、パソコンへの取り込みが遅いとシャレにならないくらい時間がかかってしまうので、とにかく最速のカードがいいですね。
ここ数年、デジタル一眼レフカメラでのムービー撮影技術の向上により、一眼レフカメラでのムービー撮影は一般の方だけでなくプロも活用するようになり、近年スチールカメラマンがムービーの世界に進出してきた。斎藤氏ものその1人で、2010年にはじめて撮ったムービー作品がショートショートフィルムフェスティバルで受賞したのをきっかけに、最近はムービーの仕事も増えてきたという。
山部:スチール出身のカメラマンと仕事をして思うのは、最初のアングルがとても美しいなあと思います。ムービーの人は良くも悪くもやっぱりラフ(笑)
それでもいい現場も、もちろんありますが、今回のように、最初にどれだけ時間をかけてもいいので、構図をビシッと決めてほしいという時は、スチール出身のカメラマンの方は、やっぱりすごいと思います。
斎藤:スチールの世界から、ムービーに入って一番戸惑うことは、最初のアングルと最後のアングルが違うということです。スチールじゃありえないですからね。間の動きがどうなるのかが、なかなかイメージできなくて、大変でした。でも、逆にそれが、すごく新鮮で、ムービーを撮る楽しさにもなっていますね。
――最後に、”The Best Starlit Sky In The World“の見所を教えてください。―
斎藤:僕は森ですかね。すごく魅力的な被写体でした。苔だらけで、まるで映画の中の世界みたいなのが、セットでなく自然にあるのってすごいです。緑が本当に美しかった。
山部:やっぱりテカポの空ですかね。流れ星とかビュンビュン飛んでるし、プラネタリウムでしか見たことのないような絵が目の前にあって・・そんな贅沢な絵を山ほど使っています。
しかも、RAWで撮影したから、細部まで再現できるので一つ一つの星の輝きが違うのがちゃんとわかるんです。ぜひそのあたりを見てほしいですね。
今回の撮影は早朝から深夜までほとんど寝る暇もなく、途中雪に見舞われるなど、過酷な状況での撮影だったにもかかわらず、スタッフは皆口を揃えて、楽しい撮影だったと言う。
それは、過酷な環境と引き換えに、降り注ぐような満天の星空や、現地の人でもなかなか見ることができないオーラとの遭遇など、大自然からの贈り物を撮影することができ、作品として作り上げられたことが、彼らの喜びとなっているのだろう。
ぜひ、みなさんにも、その作品を見て頂ければと思う。

1980年生まれ
2005年 太陽企画株式会社の企画演出部に入社。
TVCMやプロモーションビデオ等のプランニング、ディレクションに携わる。
2009年には、TVCM「花王アタックバイオジェル」で、ACCファイナリスト受賞。
2011年には「TokyoZooProject 」アドフェストシルバー受賞、スパイクアジア
2011シルバー受賞

1973年生まれ。約50カ国を放浪・撮影後、山崎博文・梅田玲に指事。
2001年独立後、雑誌・広告・webを中心にスチールカメラマンとして活動。
2010年常盤司郎監督「クレイフィッシュ」でムービーカメラマンとしてデビュー。同作品は、1999年に別所哲也らが発起人となり設立された米国アカデミー賞公認、アジア最大の国際短編映画祭「Shorts ShortsFilm Festival & ASIA」ミュージックShort2010 クリエイティブ部門にて最優秀賞・観客賞をW受賞。世界各国の映画祭にも招待され上映。以後、企業PV・音楽PV・CM等のムービーカメラマンとしても活動。
2006年より音楽家としてのキャリアをスタートさせる。
原田知世、伊藤ゴローのアルバムへの参加などを経て、2012年、ソロ名義milkとしてRallye Labelよりアルバムをリリース。
海外からSally Seltmann、Au Revoir Simone等が参加している。

タイム ラプス※で撮影された映像やインターバル撮影機能の付いたカメラやスマートフォンアプリをご紹介します。
※タイム ラプス撮影とは
インターバル撮影のこと。一定の間隔で写真を取り、それをつなげることでコマ撮りムービーのような動画を作り出します。
凍りつく冬の車山高原や妙義山、そして梅雨の晴れ間の野反湖や沼原湿原駐車場などでタイム ラプス撮影した作品です。ドリーでゆったりと動くカメラアングルが、自然の雄大さをより強く印象付けています
使用機材:カメラ Canon EOS 5DMark2、EOS Kiss X4
レンズ Samyang14mmF2.8、Samyang35mmF1.4
フィルター Lee soft No.3
屋久島の星空をタイム ラプス撮影された作品です。伸びていく星空の軌跡がとても美しく、印象的です。
使用機材:ソニー アルファー900 , 16mmフィシュアイ 2.8
ソニー アルファー700 , シグマ10〜20 3.5
ソニー アルファー100 , 18〜70 3.5
ミノルタ アルファー7D
ミノルタ 80〜200 2.8
ミノルタ 28〜70 2.8
2012年6月6日、21世紀では最後となる貴重な「金星の太陽面通過」を捉えた作品。全国的に悪天候だった中、色々な方法を駆使して撮影に成功されたそうです。
使用機材:Panasonic DMC-G1 55〜200mm バーダー社アストロソーラーフィルター使用
なにわ淀川花火大会をタイム ラプス撮影された作品です。タイム ラプスによって、普段よく見る花火もいつもと違う面白さと美しさを感じます。
使用機材:Canon 7D , SIGMA 17-70mm F2.8-4
HDRという画像合成技術を活用したタイム ラプス作品です。都会の街並みや雄大な自然が、HDRによってヴィジュアルインパクトの強い映像化されています。
使用機材:Canon 5DMark2


JVC社のスポーツカム。小型・軽量を追及し、水、砂、振動、雪に強い。
フルハイビジョン撮影対応のWi-Fi機能搭載モデル。長い時間をかけて変化する内容をインターバル記録して、短時間で再生できるタイム ラプス機能を搭載。
記録媒体: SD/SDHDC/SDXC※ メモリーカード ※記録モードFULL HDモード時。動画記録時:Class4以上のSDXC/SDHC/SDカード2GB~64GB)、静止画:SDXC/SDHC/SDカード256MB~64GB)、東芝TOSHIBA・サンディスクSanDisckでは動作確認をしています。


KING JIM社のタイム ラプス専用カメラ。
このカメラだけで誰でも簡単にタイム ラプス撮影を楽しむことができます。
記録媒体: クラス6 16GB(SDSDX3-016G-J21N) 8GB(SDSDX3-8192-J21N) 4GB(SDSDX3-4096-J21N)


サンディスク パワーコア™コントローラを搭載し、UDMA7対応により超高速性能を実現した最高峰のコンパクトフラッシュカード。128GBは最大100MB/秒の転送速度を誇る。
UHS-I規格に対応し、最大95MB/秒の読取り速度と最大90MB/秒の書込み速度を実現した超高速SDXCカード。
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