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【金武 武】夜空に咲く花火を美しく撮影する

【金武 武】夜空に咲く花火を美しく撮影する

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カメラは、マニュアル操作が可能なものがおススメだ。
初めて行く花火大会では、レンズ選びに悩むことがある。打ち上げ場所と、撮影場所の距離によって異なる。また、どのくらいの大きさの花火が上がるのかによっても違ってくる。
例えば、メイン会場から離れて撮影するならば、標準レンズから中望遠レンズが必要だろう。有料観覧席等の至近距離で撮影するならば、超広角レンズが必要になる。

花火撮影時の持ち物
カメラ
標準ズームレンズ、広角ズームレンズ
ケーブルレリーズ
三脚
カメラバックに余裕があるならば、標準ズームレンズと広角ズームレンズを持っていくとよいだろう。

 

NDフィルター、角形ハーフNDフィルター
小型ライト
大会プログラム
エクストリームプロ SD 16GB 3枚、32GB 3枚
※書込み速度の速い、エクストリームプロが推奨だ。

花火の撮影では長秒撮影を行う

レリーズと三脚は、ブレを防ぐための必需品だ。
三脚は、立って撮る場合は、身長にあったものを選ぶ方が良い。座って撮る場合は、細めの三脚でも良いだろう。

花火はとても明るい被写体だ。ISOを低くして絞って撮っても、露出オーバーになってしまう。
NDフィルターは必需品だと感じている。

マイクロフォーサーズ機などで長秒撮影を行うと、撮影後に長秒時ノイズ除去機能が働き、数秒から数十秒も待たされることもある。さらにSDカードへの書込みで待たされたのではテンポよく撮影ができない。
僅かでもメモリーカードへの書込み時間を減らし次の撮影を行いたいので、SDカードには、一番にスピードを求める。

そして花火の撮影は夜行う。花火は明るいが手元は暗い。小型ライトは必需品だ。

大会プログラムには花火の大きや種類や打ち上がる時間が書いてあるので用意しよう。
事前に読んでおけば撮影プランを考える参考になる。

花火撮影の基本設定

撮影モード/マニュアル露出orバルブモード
ISO感度/ISO100~200(最低感度)
絞り/ISO100 、ND4フィルター使用時はF8~11が良い(ISO100、NDフィルター未使用時はF13~16)

上記に書いた絞りは、あくまでも目安である。花火は暗い和火花火から、明るい銀冠菊まで、明るさの幅が広い。一つの絞りで全ての花火を撮るのは無理がある。

私はF4~22の範囲の絞りを調整している。花火の明るさに合わせ、絞りを微調整すれば、ほとんどの花火が適正露出で撮れるのだ。

シャッター速度/バルブ
(花火の開花に合わせてシャッターボタンを押せば様々な花火にタイミングを合わせて撮ることができる。)
ホワイトバランス/花火によって「電球」と「晴天」を使い分ける
長秒時ノイズ低減/OFF
手ブレ補正機能/OFF
ピント合わせ/AFでピントを合わせて、MFに切り替える。置きピン撮影が良い。

 ISO 感度は拡張機能を使用せずに、基本の最低感度を使用する。

ホワイトバランスは、色鮮やかな洋火花火なら「電球」モードが良い。日本伝統の和火花火なら「晴 天」モードがおすすめ。WBは慣れてきたら色温度設定を使用すれば、より見た目に近い色で花火が撮れる。洋火は2900k~3200k。和火や錦冠菊は4500k~4800k。機種によって発色が微妙に異なるため、肉眼で見ている色が出るように微調整する。

 長秒時ノイズ低減はONにしていると、低減処理に時間が掛かってしまう。

フルサイズやAPS―Cカメラの場合は、OFFにする。マイクロフォーサーズは、ノイズが目立ってしまうのでONが良いだろう。

  三脚を使用をするときは手ブレ補正はOFFにする。

ピントは最初に上がった花火にAFで合わせ、直ぐにMFに切り替える。置きピン撮影が確実だ。フィルム時代から行われている、遠くの夜景にピントを合わせたり、∞(無限)にする手法だとピンボケになってしまうことが多い。高画素になるほど、ピントは丁寧に合わせた方が良い。

 数千発も打ち上がる花火大会ならば全てを撮る必要はない。

前半の花火で構図、露出、ピント等の練習をすれば良い。一般的に花火大会は、後半に行くにしたがって、大きくて形の綺麗な花火が上がってくる。後半に上がる、美しい花火をシッカリ撮れば良いだろう。

花火撮影は“NDフィルター”が必要だ。

花火はとても明るい被写体だ。
銀冠菊花火や、パステルカラーの花火など、ISOや絞りで調整しても、露出オーバーになってしまう花火が増えてきている。NDフィルターは、花火撮影に欠かせないアイテムだと感じる。

NDフィルターは、減光フィルターとも呼ばれている。NDフィルターを装着し、絞りで微調整すれば、眩しい銀冠菊花火やナイアガラも、適正露出で撮れる。

拡張機能で、ISOを低くできるカメラがあるが、ISOを低くすると、ダイナミックレンジが狭くなり、露出オーバーの原因になったり、色乗りが悪くなったりする。基本の最低感度に設定するのが良い。
数あるNDフィルターを試した経験では、ISO100ならばND4フィルターが良い。ISO200のカメラならば、ND8フィルターが最適だと感じている。

2014年12月 埼玉県 秩父夜祭

2014年12月 埼玉県 秩父夜祭

撮影データ
カメラ Nikon D600
レンズ AF-S NIKKOR18-35mm f/3.5-4.5G ED
露出モードM ISO100 F11 B・8.5秒間 WB2940k 手ぶれ補正無し、長秒時ノイズ除去OFF
リモートコード 三脚 ND4フィルター使用

「虹色」と名のついた美しい花火だった。色鮮やかさを出すには、ホワイトバランスの調整が必要だ。二発同時に打ち上がる、「対打ち」という打ち上げ方をしている。

2015年8月 神奈川県 神奈川新聞花火大会

2015年8月 神奈川県 神奈川新聞花火大会

撮影データ
カメラ Nikon D600
レンズ AF-S NIKKOR18-35mm f/3.5-4.5G ED
露出モードM ISO100 F11 B・2.9秒間 WB2940 手ぶれ補正無し 長秒時ノイズ除去OFF
三脚、ND4フィルター使用

神奈川新聞花火の後半は、音楽と共に花火が15~20分間ほど打ち上がり続ける。

大量の花火が打ちあがるため、花火に見とれていたら、アッという間に露出オーバーの写真になってしまう。
シャッターを閉じるタイミングは、構図の中に、バランス良く花火が開いたと感じたら、撮り終わることを心掛けたい。

2015年8月 東京都 東京湾大華火祭

2015年8月 東京都 東京湾大華火祭

撮影データ
カメラ Nikon D600
レンズ AF-S NIKKOR18-35mm f/3.5-4.5G ED
露出モードM ISO100 F8 B・9.4秒間 WB4550k 手ぶれ補正無し 長秒時ノイズ除去OFF
三脚、ND4フィルター使用

開始時間の早い花火大会では、空の明るさが残っている状況で、花火の撮影ができる。
夏は19時30分くらいになると、空が暗くなる。

2015年10月 秋田県 大曲の花火:秋の章

2015年10月 秋田県 大曲の花火:秋の章

撮影データ
カメラ Nikon D600
レンズ AF-S NIKKOR18-35mm f/3.5-4.5G ED
露出モードM ISO100 F11 B・19.7秒間 WB2940k 手ぶれ補正無し 長秒時ノイズ除去OFF
三脚、ハーフND8ハードタイプ使用

水面に映る花火を撮るために、角形ハーフNDフィルターを使用。

角型ハーフNDフィルターとは、半分は透明なガラスになっているタイプで、明暗差の激しい被写体を撮るときに有効なフィルターだ。上空の花火に、ND部分が掛るようにし、水面は透明な部分が掛るようにした。

手筒花火
手筒花火は、愛知県豊橋市で、450年以上も続いている伝統花火だ。火を噴き出す竹筒を、人が持つ花火だ。
点火すると、30秒ほど火を上空に吹き上げる。やがて、「ハネ」と呼ばれる爆発が起きて終わる。男衆の勇ましい姿と、大迫力の手筒花火は何度見ても感動する。

手筒花火を2通りのシャッタースピードで撮り比べてみた。

2016年7月 愛知県 豊橋祇園祭

2016年7月 愛知県 豊橋祇園祭

スローシャッターで撮れば、火の粉が流れ、豪華な写真が撮れる。

撮影データ
カメラ OLYMPUS OM-D E-M5Mark2
レンズ M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO
露出モードM ISO400 F16 1/6 WB5300k 手ぶれ補正OFF 長秒時ノイズ除去ON
三脚使用

2016年7月 愛知県 豊橋祇園祭

2016年7月 愛知県 豊橋祇園祭

シャッタースピードを速くすれば、火は粒状に写る。

撮影データ
カメラ OLYMPUS OM-D E-M5Mark2
レンズ M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F2.8 PRO
露出モードM ISO800 F4 1/180 WB5300k 手ぶれ補正OFF 長秒時ノイズ除去ON
三脚使用

ハネの瞬間を撮るために、連写で撮影した。何度も撮影していると、ハネのタイミングがわかってくる。そろそろ来るなと感じたら、シャッターボタンを押し続ける。

もしメディアの書込みスピードが遅いと、撮影が中断してしまい、撮り逃がしてしまうことがある。メディアを選ぶときには、書込みスピードの早いタイプを選んだほうがよい。

メモリーカードの信頼性

最後に、「SDカードはいつか壊れる」と思いながら仕事をするのは不安なものです。

特に花火の撮影は猛暑の中やマイナス10度での撮影、また雨の中での撮影など過酷な条件で撮影することが度々あります。信頼性の高いサンディスクならば安心して使用できます。

これからも、信頼できるブランドのSDカードを使用したいと考えています。

花火写真家 金武 武

1963年神奈川県横浜生まれ

写真の技術を独学で学び30歳で写真家として独立。
打上げ花火を独自の手法で撮り続けている。
写真展、イベント、雑誌、メディアでの発表を続けている。
近年では花火の解説や講演会の依頼、写真教室での指導が増え続けている。

超 花火撮影術」ムック本と電子書籍が発売中
DVD 「デジタルカメラ 花火撮影術」発売中
花火写真家 金武 武- official site –

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